
どうも、yossyです。

「文章が思い通りに書けるようになりたい。」と思っているときに、唐木元さんが書いた「新しい文章力の教室」に出合いました。
この記事では、わたしがこの本を読んで分かった「新しい文章力の教室」の概要について紹介します。
良い文章は、完読される文章である。
その理由を、深掘りしていきます。(ネタばれあります。ご注意ください。)
目次
良い文章は、完読される文章である。
唐木ゼミで伝えてきたことをベースに、書ける人にとっては当たり前すぎて誰も説明してくれない基本、「歩くときは右足の次に左足を前に出す」というようなプロセスを言語化し、誰でも順を追って身に付けられるようにしました。(p.5)
では、書ける人にとっては当たり前すぎて誰も説明してくれないような基本とはどういったものなのでしょうか。
あなたが文章を書いた文章で読者に満足してもらうためには、次の4つのステップを踏むことを唐木さんはわたしたちに紹介しています。
- 文章を書く前に準備する。
- 書いた文章を読み返して直す。
- 文章はもっと明快に、もっとスムーズに。
- 書いた文章を読んでもらう工夫とは。
一つずつ見ていきましょう。
文章を書く前に準備する。

どうしたら文章がうまくなるか悩んでいる方にまずお伝えしたいこと。「完読されるのが良い文章」と決めると突然視界がクリアになります。(p.15)
文章を書き始める前に主眼つまりテーマと、要素・順番・軽重から成る骨子を立てなければなりません。
まず書きたい要素を、調査して集めます。書きたい要素が集まったら、主眼を決めます。主眼を決めるとき、あなたなりの捉え方、つまり切り口を考えるようにします。

主眼と骨子が決まったので、「構造シート」にまとめます。A4の紙の上部に主眼を書き、その下に要素を順番に書きます。これで、文章を書く前の準備が整いました。あとは、構造シートに沿って文章を書いていけばよいのです。
書いた文章を読み返して直す。

文章がうまくなっていく過程というのは、読み直しの連続の中に宿っています。勢いだけでボンヤリ書いた文章を読み直してみると、粗さやほころびに気付く、そして直す。
それは学びとなり、次に書くときは同じ問題を繰り返さなくなっています。(p.53)
書き上げた文章を読み返すとき、意味と字面・語呂の3つの観点で読み返すようにします。
誤字脱字や事実誤認はないか、次いで主眼と骨子がかみ合っているかどうか、表現や文法が適切かを確認していきます。(p.54)

字面を確かめるとき、以下について確認します。
・文末表現の繰り返しがないか。
(例)~しました。…しました。
・過去の出来事に、過去形と現在形を使うなど文末表現に変化があるか。
(例)”最終日は来る23日。観客は感動のフィナーレを目にする。
・単文や重文・複文を理解し、正しく修飾されているか。
(例)豪華なお皿が広いテーブルの上に並んでいる。
・読点は意味の切れ目でうたれているか。
(例)美しい日本の、私。
この他にも、一文一義の原則や漢字とひらがなのバランスにも気を配らないといけません。
文章はもっと明快に、もっとスムーズに。
伝えたいことが伝わることが第一義と思い出し、書き手の気持ちよさや表現欲求は二の次、三の次に回す、大人の書き手になってください。(p.89)
体言止めや指示語を使って文字数を節約したり、約物でポイントを強調したり。いずれも文章表現には使い勝手のいいテクニックです。しかし同時に、用法容量を守らなければ、どんな薬も毒となって読み味を下げ、読み手を完読から遠ざけてしまうでしょう。(p.133)

・余計な単語を削る
(例)接続詞・重複・「という」・代名詞・修飾語
・人づてであろうと裏が取れた事実や取材に基づいた話題については断定する。
(例)開催されるといわれている。→開催される。
・「は」は主題の提示や対比、「が」は主題の範囲が狭い。
(例)”ポールマッカートニーは1年ぶりに来日する。
ポールマッカートニーが1年ぶりに来日する。(p.126)”
・時間にまつわる言葉は点か線かに気を付ける。
(例)”×4月15日から発売される。
〇4月15日から販売される。(p.128)”
・「こと」「もの」を使いすぎないようにする。
(例)”×自分のことを理解することで、成長することができるようになる。
〇自分を理解すれば、成長できるようになる。(p.164)”
書いた文章を読んでもらう工夫とは。

“おしまいまで関心の糸が切れずにスルリと読める文章には、実は野暮ったい工夫が目一杯に織り込まれているということを知ってください。(p.170)
たとえば書き手が「これはおもしろくかけたぞ。きっと笑ってくれるに違いない。」という思いで文章を書いていたとします。読み手側からすると、笑わせてやろうという書き手の意図が透けています。
文章を書くときは主観ではなく客観、思いではなく事実を意識して書くようにしましょう。たくさんの文章を書いているうちに、文章が同じような構成になってしまう、いわゆるテンプレート化することに対して注意をしなければいけません。

著者「唐木元(からき・げん)」氏について
- 1974年 東京都生まれ 株式会社ナターシャ取締役
- 2004年より3つの出版社に勤務
- 2008年、株式会社ナターシャに参加、編集長
本の概要

本の概要
タイトル :新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
著者 :唐木元(からき・げん)
出版社 :インプレス
初版 :2015年
ページ数:208p
目次
第1章 書く前に準備する
書く前の準備で文章が決まる
第2章 読み返して直す
「完読」を目指して文章を磨いていく
第3章 もっと明快に
読者の負担を取り除いてもっと伝わる文章にする
第4章 もっとスムーズに
読者に伝わる丁寧な文章にしていく
第5章 読んでもらう工夫
文章を伝える工夫は仕事の基本にも通じる
まとめ
唐木ゼミで学ぶことによって、新入社員が1日に記事を5本以上書けるまでに成長したそうです。文章が書けずに悩んでいるあなたからすれば、1500円でそのメソッドを学べるなんて、ありがたいと思いませんか。
誰にでもすぐに実践できる77項目が5つのチャプターに分かれてまとめられています。最初から読んでもよいですし、気になるところから読んでもよいでしょう。あなたが文章を書くときはもちろん、書いた後、見直すときにも使えます。
唐木さんは、「文章力は社会人の基礎体力」ではないかと考えています。あなたも、この本を読んで、基礎体力を鍛えることから始めませんか。