
そんなあなたにおススメなのが樺沢紫苑さんの「読んだら忘れない読書術」です。この本を読むことで、「読書は人生を変える最後の、そして最強の切り札」であることが分かります。
具体的に言うと、まず、「読書をする時間を確保する方法」が分かります。時間が確保できれば、本を読むことができるようになります。さらに、「読んだら忘れない」方法が分かるので、読書が楽しくなり、あなたの人生を変えることになるかもしれません。
その理由を見ていきましょう。
目次
読書は人生を変える最後の、そして最強の切り札である。
人生において大切なもの。
筆者は、人生において大切なものは8つあると考えています。それは、
- 結晶化された知識
- 時間
- 仕事力
- 健康
- 頭が良くなる
- 人生における変化
- 成長
- 喜び
読書における最終的な目的は「自己成長」と「行動の変化」であり、「読んだら忘れない読書術」を身に付けて、自己成長を加速させて、あなたの現実を変えてもらうことが本書の目的だとはっきり述べています。
月7冊以上で、日本人の上位4%になれる。
文化庁の「国語に関する世論調査」(2013年度)での「1か月に大体な冊くらい本を読んでいるか」(雑誌や漫画を除く)という質問に対して、本を1冊も「読まない」と答えた人が、全体の47.5%にものぼっています。驚くことに、日本人の半数近くが本を読む習慣がないのです。
「1,2冊」と答えた人が34.5%、「3,4冊」が10.9%、「5,6冊」が3.4%、「7冊以上」が3.6%です。
つまり、月に7冊読むだけで、あなたは読書量において日本人の上位4%に入ることができるのです。(p.35)
引用「読んだら忘れない読書術」
ちなみに、平成30(2018年度)のものを調べてみたところ、次のようなデータがでてきました。

平成20年(2008年度)も同じような数字になっており、日本人の読書に対する考え方はほとんど変わっていません。もうひとつ、興味深い内容があります。筆者の友人である野田宜成氏。彼は、経営コンサルタントとして500社、9000人以上の方に携わってきたのだそうです。
その彼に、成功している経営者の共通点について筆者は尋ねました。すると、
“成功している経営者のほとんどが、「読書家」である、というのです。では、成功している経営者で、本を読まない人はいないのかというと、当然そういう人もいるそうです。しかし、本を読まない経営者で、10年、20年と継続的に結果を出す例は極めてまれなのだそうです。つまり、本を読まない経営者は、結果を出せたとしても「一発屋」で終わる可能性が高い。連戦連勝は難しいのだと。(p.66)
引用「読んだら忘れない読書術」
月7冊以上読書をすれば、自己成長を加速させることができます。自分の仕事×読書量で10000人に1人の人になれる可能性がぐっと高まり、行動することで藤原和博さんが唱える「必ず食える1%の人」にぐっと近づくことになります。
本は人生で準備するべきことを教えてくれる。
たしかに、「そもそも経営者になる気はない。」「読んでも覚えられない。」「本を読む時間が取れない。」「何を読んだらいいか分からない」と考えられなくはありません。
では、一緒に考えてみましょう。あなたも知っている通り、日本は少子高齢化に伴って人口の減少が予想されています。「老後を過ごすためには2000万円必要だ。」「子どもひとりを育てるのに3000万円かかる。」など、お金に対する不安が大きいですよね。
筆者は、
あなたが自己成長すれば、たいていの問題は解決するはずです。少子高齢化が進み、日本経済が失速しても、自分が困らないように「準備」しておけばいいだけです。というよりも、自分自身で「準備」しなければいけません。
しかし、ほとんどの人は、何を「準備」していいかわからない。それが「本」を読めば、どんな「準備」をすればいいかがわかります。
中略
人生を変える方法を教えてくれるのが、「本」なのです。(p.246~247)
引用「読んだら忘れない読書術」
と言っています。経営者にはならなくても、お金に余裕があれば、こういった不安は小さくなるはずです。そのためには、本を読んで準備しなければなりません。
「読んだら忘れない」ようにするための3つの原則。
- 記憶に残す。
- スキマ時間に読む。
- 深読する。
記憶に残す。
記憶に残すためには、1週間に3回、4つの方法でアウトプットするとよいと筆者は言っています。方法として、
- 気になるところに線を引いたり、メモをしたりする「マーカー読書術」
- 複数の切り口で人に話す「テレビショッピング読書術」
- SNSで感想をシェアする「ソーシャル読書術」
- 書評を書いてみる「レビューライティング読書術」
- 情報を絞りつくす「生グレープフルーツサワー読書術」
スキマ時間に読む。
スキマ時間に読むとよいのは、制限時間があると記憶力が高まる効果を利用しているからです。「締め切り効果」と呼ばれるのものです。あなたも、早いうちからコツコツやった方がいいということを分かっているのに、試験前に集中して勉強した記憶がありませんか。
これは、締め切り効果が働いているからです。人間の集中力は15分と言われています。特に、最初の5分と最後の5分は記憶力が高まるそうです。なので、時間がないあなたも15分単位で読書をすることで、「読んだら忘れない」ようになるのだと筆者は言っています。
深読する。
深読とは、筆者の造った言葉です。筆者は、内容を説明できて、内容について議論できることが「本を読んだ」と言えると述べています。ただ速く読めばよいというわけではないのです。ですから、内容を説明できることを前提に読書を進めていくようにしましょう。
3つの原則が分かったところで、具体的にどのように読んでいったらよいかについて筆者は次の手順で読むように紹介しています。
1 全体を把握してゴールと読み方を決める
2 知りたい部分を先に読む
基本的に今伝えた方法で速読していくのがよいのですが、本の種類によっては、精読しなければならない場面も出てきます。ですから、全体を把握してゴール=目的=何を学びたいか、何を知りたいかをはっきりさせなければなりません。
そして、知りたい部分からどんどん読み進めていけばよいことになります。つまり、前から順番に読む必要は必ずしもないということになります。読書の目的は自分の成長です。全部読むことは必ずしも、自分を成長させるとは限りません。本の種類、目的に応じて読むようにするとよいでしょう。
「読んだら忘れない」本の選び方。
ここまででも、「何を読んだらよいか分からない」という悩みが残っています。筆者は、本の選び方がわかれば、自分に必要な本を手にできると述べています。「いや、本、高いし…」とあなたが考える気持ちも分かります。
その気持ちに対して、筆者は1500円のランチを例に挙げて、次のように答えています。
1500円の商品から、1500円以上の価値を得ることができれば、「安い」と思うし、1500円以上の価値を得ることができなければ「高い」と感じるわけです。(p.148)
引用「読んだら忘れない読書術」
つまり、あなたが本を高いと思うのは、その値段以上の価値を得られる体験が少ないからということになります。そうならないために、筆者は「ホームラン級の本=運命の本と出会う」ことを勧めています。
しかし、そんな本は簡単に見つかりませんし、見つかれば苦労しません。そこで、本の選び方として次の方法を挙げています。
- 今の自分のステージに合った本を選ぶ。
- まず入門書を選ぶ。
- 人が推薦する本を選ぶ。
- ベストセラーやランキングに頼らない自分軸で選ぶ。
- 専門書は大型書店で探す。
- ネット書店のレコメンと機能やレビューを参考にする。
- 偶然の出会いを大切にする。
- 直感を信じて、従う。
- 1冊の本から複数の本へとドンドンたどっていく。
この中から自分に合った方法を選べばよいと私は考えます。ちなみに、わたしは3が合っていました。自分の課題を解決してくれた方だったので、その方の思考に近づきたいと思いました。そこで、その方が勧められている本を読み漁ることで思考が変わってきました。
また、9もおすすめです。9をすると、その方の主張や生き様みたいなものがつかめてきます。「この著者はいい!」と思ったら、その方の本を全部読むと読んでも忘れなくなってきますよ。
また、本を選ぶのに失敗しない4つの基準も挙げています。
- 広く、深く、バランスよく読むこと。
- 長所を伸ばし短所を克服するように読むこと。
- 情報と知識の偏りをなくすように読むこと。
- 読書のポートフォリオをつくること。
100万円あれば、約1000冊の本が読めます。1ヶ月で約10冊、10年分です。1000冊の結晶化した知識は、あなたにどれだけの「富」をもたらすでしょう?
一方、100万円を銀行に10年預金して、何円、利息がつきますか?今の利率だとほとんど、利息はつきませんね。(p.218)
引用「読んだら忘れない読書術」
筆者は、知識へ投資することの大切さをユダヤ人がお金よりも知識を大切にすることを通してあなたに伝えています。先の見通せない、不安な時代です。筆者は、難しい選択をあなたに問いています。あなたは、どちらを選びますか。
著者「樺沢紫苑」氏について
著者である樺沢紫苑氏は次のような方です。
- 精神科医、作家
- 日本で最もインターネットに詳しい精神科医
- 過去20年間の読書数は6000冊以上
樺沢氏は、病気にならない知識、病気の予防につながる知識、病気を治す方法を1人でも多くの人に知っていただくためには、読書を習慣にする人を増やし、日本人の読書量を増やすしかないと考えられてこの本を出版されたのだそうです。

本の概要
本の概要
- タイトル:「読んだら忘れない読書術」
- 著者 :樺沢紫苑
- 出版社 :サンマーク出版
- 初版 :2015年
- ページ数:251ページ
目次
目次
はじめに
第1章 なぜ、読書は必要なのか?読書によって得られる8つのこと
読書は人生に大切なものすべてを与えてくれる
結晶化された知識~「デパ地下の試食理論」
時間~「時間購入理論」
仕事力~「料理の鉄人理論」
健康~「ストレス緩和理論」
頭が良くなる~「読書脳活性化理論」
人生における変化~「運命の1冊理論」
成長~「自己成長加速理論」
喜び~「読書エンタメ理論」第2章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 3つの基本
精神科医の基本原則とは?
10年たっても忘れない~「記憶に残る読書術」
効率的に読書をする~「スキマ時間読書術」
「速読」より「深読」を意識する~「深読読書術」第3章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 2つのキーワード
2つのキーワードとは?
深く記憶に残す~「マーカー読書術」
複数の切り口で人に勧める~「テレビショッピング読書術」
気づきをひとと共有する~「ソーシャル読書術」
レベルアップしたら挑戦したい~「レビューライティング読書術」
「スキマ時間」読書をすると、なぜ記憶に残るのか?
制限時間があると記憶力が高まる~「ウルトラマン読書術」
効率よく「頑張り」を活かす~「5分・5分読書術」
「15分」を最大限活用する~「15-45-90の法則読書術」
睡眠の力を借りて脳にやきつける~「熟睡読書術」第4章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 超実践編
実際に、どうやって読んでいくのか?
目的地を把握する~「パラパラ読書術」
知りたい部分を先に読んでしまう~「ワープ読書術」
自分にとって少し難しいぐらいがいい~「ギリギリ読書術」
幸福感に包まれて記憶力も高まる~「ワクワク読書術」
ワクワクする本を、ワクワクしている間に一気に読む~「鉄は熱いうちに打て読書術」
著者に会いに行って勉強する~「百聞は一会にしかず読書術」第5章 「読んだら忘れない」精神科医の本の選択術
本の選び方がわかれば、自分に必要な本を手にできる
ホームラン級の本との出会いが圧倒的な成長を引き起こす~「ホームラン読書術」
今の自分のステージに合った本を読む~「守破離読書術」
まず「入門書」から学ぶ~「入門読書術」
人が推薦する本を読む~「お勧め読書術」
ベストセラーやランキングに頼らない~「自分軸読書術」
専門書は大型書店で探す~「専門書読書術」
ネット書店のレコメンド機能やレビューを参考にする~「ネット書店読書術」
偶然の出会いを大切にする~「セレンディピティ読書術」
直感を信じて、従う~「直感読書術」
1冊の本から複数の本へドンドンたどっていく~「数珠つなぎ読書術」
「失敗しない4つの基準」第6章 早く、安く、たくさん読める究極の電子書籍読書術
電子書籍を活用すると読書量が増える
どちらが便利?電子書籍VS.紙の書籍
紙と電子書籍、それぞれの長所によって使い分ける~「宮本武蔵読書術」
端末の選び方、ハイライト、裏技まで~「kindle 読書術」第7章 「読んだら忘れない」精神科医の本の買い方
「複利」の効果で富をもたらす本の買い方
「読みたい」「買いたい」と思った本は躊躇せず買う~「年間予算購入術」
本を買うときは、即断即決しなさい
自分にとって必要な本を分類して、整理する第8章 精神科医がお勧めする珠玉の31冊
精神科医がお勧めする「ホームラン本」とは?
まとめ
「記憶に残る読書術」とは、言い換えると「自己成長につながる読書術」であり、「人生を変える読書術」だと筆者は言っています。 読書を習慣にして、本から得られた「気づき」をきちんと実践していけば、今の何倍もの速さで「自己成長」できるようになります。
あなたも、隙間時間で読書をすることから始めてみませんか。